知っておきたい感染症のこと② どんな感染症があるの❓
では、乳幼児期は感染症にかかりやすいと分かったところで、
どのような感染症があるのか、見ていきましょう📖
👿 乳幼児期にかかるウイルス感染症 👿
💛 麻疹
感染経路:麻疹ウイルスがもとになっており、飛沫感染・接触感染で、👃鼻咽喉粘膜に感染します。
潜伏期:10~11日
(症状)
カタル期(3~5日):発熱、咳、くしゃみ
眼瞼結膜の充血、眼脂、まぶしさ感、コプリック班の出現(白い小斑点)
発疹期(4~5日):発熱がやや下降、再上昇します。
発疹(紅斑)が耳後部➡くび➡顔➡腕➡体幹➡足の順に出現します。
*発熱は、発疹出現後3~4日持続
回復期:熱が下がり、発疹の退色、色素沈着が見られます。
◍7~9日の全過程で回復します
◍治癒後に終生免疫を獲得します!(終生免疫とは…一度感染すると、次はその病気にかからなくてすむ状態)
合併症 ●肺炎 ●中耳炎 ●麻疹脳炎(1/1000)
予防 麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)または麻疹生ワクチン(2回)
💛 風疹
感染経路:風疹ウイルスが原因となっていて、飛沫感染で👃鼻咽腔粘膜に感染します。
潜伏期:14~21日
(症状)
風疹は3症状を押さえましょう!
●発疹…耳後部➡くび➡体幹➡四肢の順に出現し、3日前後でこの順に消失します。
●リンパ節腫脹…頭部、耳介後部(3~6週間)
●発熱…2~3日(40~60%は無熱)、結膜充血、咽頭発赤がみられます。
◍治癒後に終生免疫を獲得
合併症:●血小板減少性紫斑病(1/3000) ●脳炎(1/6000)
流行季節:春から初夏
予防:麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)または風疹ワクチン(2回)
1回で95%免疫、2回で99.8%免疫
💛 水痘・帯状疱疹
感染経路:水痘・帯状疱疹ウイルスが、飛沫感染によって👄経気道感染を起こします。
潜伏期:14~16日
(症状)
●軽い発熱と発疹で発症します
●発疹は、紅斑➡丘疹➡水疱➡膿疱➡痂皮(かさぶた)の順に3日程度
⇩
治癒後に、ウイルスが神経節に潜伏感染しています。
このため、免疫状態の悪化・低下によって、再び活性化し、帯状疱疹を発症します。
◍治療は塗り薬と内服で行っていきます
(症状)●神経の走行に沿った痛み ●紅斑 ●小水疱
◍治癒後に終生免疫を獲得します
流行季節:冬~春
予防接種:水痘生ワクチン(任意接種)摂取していても20%くらい水痘になる
*副反応はほとんど出ません。(副反応…予防接種のあとに、熱が出たり機嫌が悪くなったり、
張れたり、しこりがでるなどの、好ましくない反応で、そのほとんどが2~3日で消える)
💛 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
感染経路:ムンプスウイルスによる、飛沫・接触感染。👃鼻咽頭粘膜から侵入します。
潜伏期間:12~25日
(症状)
●38~39度で数日続く発熱
●両側または片側の唾液腺が腫れる、痛みがあります
⇨これらの症状は1週間以内に改善します
伝染期間:耳下腺腫脹出現前~出現後5日
合併症:まれに髄膜炎(予後不良)、膵臓炎(腹痛)、一足性の感音性難聴(1/400~10000)。聴力の予後は不良といわれています。
思春期以降になると、精巣炎や卵巣炎になることもあります(自然治癒)
流行季節:冬~初夏
💛 突発性発疹
感染経路:ヒトヘルペスウイルス6によるもので、はっきりしたことは不明です
潜伏期:不明
(症状)
●3日~4日続く突然の高熱、時にけいれんを伴う
●解熱前後に発疹(麻疹様、風疹様)が体幹、うで、首に出現⇨2~3日で消失します。色素沈着はありません。
◍治癒後に終生免疫を獲得します
合併症:脳炎、脳症、肝炎
流行季節:年中
💛 手足口病
感染経路:コクサッキーウイルスA16、エンテロウイルス71、コクサッキーA10
病原ウイルスは💩便と👄呼吸器から排泄され、
飛沫、糞口感染、水疱内容からの直接感染です。
潜伏期:3~5日
(症状)
●口腔粘膜、四肢末端に発疹(小水疱)が出現。手、足、口すべてに出現しないものもあります
●約3分の1に軽度の発熱があります
◍数日で治癒し、予後は良好です
◍治療は内服と塗り薬になります
◍複数回かかることがあります
合併症:髄膜炎など
💛 ウイルス性腸炎
感染経路:ロタウイルス、カシリウイルス、アデノウイルス(上気道炎も起こす)による、💩接触便の👄経口感染です
(症状)
●下痢(ロタウイルスは米のとぎ汁様の水様便のことがある)
●嘔吐
◍発熱は少ない
◍治療は水分、電解質を不足しないように与えます。イオン飲料だけでは塩分が不足するので注意してください!
流行季節:ロタウイルスは秋~冬
いかがですか?ひとことに感染症といっても、たくさんのものがありますね。
感染は0~1歳台で多く、
乳幼児では重い病気をおこすことがあります。
今では、抗生物質の効きにくいタイプの菌が増加していますが、ワクチン接種でほぼ完全に予防できるものもあります。
もう一つ、冬の時期に流行するインフルエンザですが、髄膜炎になることもあります。
b型インフルエンザ菌髄膜炎は非常に恐ろしい病気で、
死亡率は2~5%、
脳障害やてんかん、難聴などの後遺症は15~30%、
患者は年間700~1000人といわれています。
治療は抗生物質の早期投与です。
感染症の情報をパパも知り、
ママと話し合いながら、
家族でお子さんを守りながら、早期発見できるような体制をとっていきましょうね☺