パパも産後うつになるって本当?予防するためにはどうすれば?
出産後は体が妊娠前の状態に急激に戻るため、ホルモンのバランスが崩れ、ママがうつ状態に陥ることがある、というのは最近ではよく知られてきていますね。では、ママだけでなくパパも産後うつになることがあると知っていますか?
いったい、パパの産後うつとは何が原因で、どうすれば予防できるのでしょうか。
パパにもある産後うつ
妊娠・出産を通して赤ちゃんの命と向き合ってきたママとは違い、パパはあまり赤ちゃんの存在を身近に感じることなく、ある日突然パパになります。わかっていたことだし、出産準備と共に心の準備もしていたはず…。でも、実際に赤ちゃんが生まれてみると、赤ちゃん中心の生活になり、思うように睡眠もとれないなど様々な環境の変化が訪れます。そんな変化に対応しきれず、産後うつに陥ってしまうパパもいるのです。
特に、3カ月ごろまでの赤ちゃんを持つパパに起こる心身の症状をパタニティーブルーといいます。カイル・ブルーエット教授により1987年に提唱され、日本でも研究されるようになってきています。パタニティーブルーも、マタニティーブルーとともに予防や解消が必要になってきます。
パパの産後うつの原因は?
赤ちゃんが生まれるのと同時に、パパには大きな責任も生まれてきます。ママと子どもを守っていく責任です。子供を育てるために、金銭的に十分に稼がなくては、とか、子育てするママを精神的にも実際の育児においても支えていかなくては、といった思いが重圧になってくることもあります。
さらに、赤ちゃんとママが退院し、実際に共に生活するようになると、育児が精神的にも肉体的にも大変な負担であることがわかってきます。ママに代わって家事をしてみても、ママのようにはうまくいかず、文句を言われてしまうといったことも…。追い打ちをかけるように、パパが赤ちゃんを抱くと大泣きしてしまうなどがっかりすることも起こります。
職場では育児に理解がない上司がいて、家庭との板挟みになる、といったこともあるでしょう。また、相談したくてもプライベートなことを話せる友達がいないなど、パパならではの産後の悩みはたくさん。
そんなことが積み重なって、産後うつとして表面にあらわれてくることがあるのです。
産後うつを予防するためにできること
ホルモンバランスとは関係なく起こるパパの産後うつは、なるべく起こる前に予防することが大切です。
大きな責任を背負い込むイメージが強すぎる場合は、気になっていることや心配なことをママと話し合い、互いに支えあっていくことを確認して、心の負担を軽くしましょう。それでもつらい時はカウンセラーに相談するのもよい方法です。
また、日中は仕事、帰宅したら育児、息つく暇がないとパパは感じているかもしれませんね。ママも、産休、育休中であっても、家事や育児に追われて忙しく、パパのしんどさまで気づいてあげられないかもしれません。近くに実家や頼れる親族がいれば、助けてもらうことも考えてみましょう。あるいは、公的な機関を利用して相談に乗ってもらったり、インターネットを通じて、同じような悩みを持つパパとの交流を試してみたりするのも一つの手です。
そして、もし可能であれば、育休をとってみることをおすすめします。現実には難しい場合も多いのですが、育休は法的には取得可能。育休を使って、ゆとりをもって育児に取り組むことで産後うつを回避できるかもしれません。取得は無理とあきらめず、労働組合や弁護士などに相談することも考えてみましょう。