「赤ちゃんの夢」について
人が夢をみるのは、経験やこころの整理をしているといわれており、動物実験で夢をみさせないようにされた動物は数日で衰弱死してしまったそうです。眠っている赤ちゃんをみていると、ほとんど動かずによく眠っている時(レム睡眠)と、閉じたまぶたの中で眼球が動いて手足を動かしながら眠っている時(ノンレム睡眠)があり、このレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しています。大人はレム睡眠の時に夢をみていて、レム睡眠の時に起こすと何の夢をみていたか知ることができますが、赤ちゃんの場合それができません。新生児はレム睡眠の量が多いことがわかっていて、生後3ヶ月の赤ちゃんは1日16時間も眠り、大人の2倍近く夢をみているといわれています(Eテレの「地球ドラマチック」より)。生物学者のフランシス・クリップ氏らの発表によると「夢によって記憶のネットワークの細胞のうち、ある集団は保存され、ある集団は消去される。それによって情報が再分類、整理され、拾ってきては脳から追い出すためである。」というもので、夢をみるのはいらなくなった記憶を消し去るためで、もしこの機能がなければ大脳皮質は巨大化するか、機能停止になるであろうというのです。クリック氏らは、レム睡眠中は、脳幹から刺激が出て、脳の神経細胞どうしをつなぐネットワークを作っているからだと説明しています。レム睡眠は浅い眠りといわれているので、赤ちゃんの眠りは深くはないのですが、大人より長い時間夢をみていて、常に新しい情報を脳で処理しているのでしょう。赤ちゃんの夢の内容はわからないのですが、夢をみるための睡眠が赤ちゃんの脳の成長に欠かせないということですね。
「雑学や豆知識大集合」より引用