食事を楽しめる味覚を育てよう!離乳食のポイント
赤ちゃんがミルク以外でとる食事、それが離乳食です。
離乳食は月齢に応じて食材や硬さ、調理法などを変え、徐々に大人と同じ食事へと導くためのものです。そのほか、離乳食はミルク以外の食べ物の味に慣れ、成長に応じた味覚を身につけ、食べることの楽しみを知るという目的もあります。
小さいころから味付けの濃いものを食べ続けると、大人になっても塩味が濃いもの、脂っこいものを好んで食べるようになり、健康を害してしまうことがあります。また、食事の楽しみを知らずに育てば、食べることは単なる習慣になってしまい、毎日がそれこそ味気ない生活になってしまうでしょう。
そんなことにならないために、赤ちゃんの離乳食のころ(5カ月~6カ月ごろ)から気を付けておきたいポイントをいくつかご紹介します。
日本人の主食、お米の味を基本に
離乳食は、重湯やおかゆから始まります。
日本人の家庭ではたいていお米が主食となっていますね。お米のシンプルな味はほかのおかずの味を引き立て、同時に食べるとさらにおいしくいただけるようになっているのです。
お米の味を基本とした離乳食を与えることで、日本食に親しむ味覚の基礎が育ちます。
日本人のこころ、「だし」をとってみよう
お米と並んで日本食の基本になっているのが「だし」です。鰹節や昆布、干しシイタケなど自然のめぐみから生まれるだしのおいしさを、離乳食に取り入れない手はありません。
忙しい毎日の中、普段の食事では市販のだしの素などを使っている家庭が多いでしょう。しかし、市販のだしの素は塩分が多く、添加物なども含まれていることがあります。
離乳食で使うだしはぜひお家でとってみてください。まとめてとって冷凍しておくと便利です。だしのおいしさがわかる味覚を育ててあげましょう。
<基本的なだしの取り方>
●鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にし、鰹節(水の約3%程度)を入れる
●あくをとり、再び煮立ったら火を止め、鰹節が沈むのを待つ
●キッチンペーパーなどで鰹節をこしとれば出来上がり
素材の味を生かし、旬の食べ物を!
離乳食のころから濃い味付けにすると、薄味のものを食べなくなってしまいます。ですから、初めは塩を入れず食材そのものの味を楽しめるのがベストです。
また、食材は旬のものを使うことで、さらにおいしさを感じることができます。年中いろんな食べ物が売られていますが、やはり旬の食材はおいしさも栄養価も抜群。値段もお手頃です。
たとえば、秋ならばさつまいもを柔らかくふかしてつぶすだけ、冬ならホウレンソウをゆでてすりつぶすだけで特に味付けしなくても、立派な離乳食になるのです。
難しく考えないで、大人の食事を離乳食向けに
味付けは薄く、素材の味を大事に、そして食べやすく…と考えていくと、離乳食づくりは大変で、負担なものと感じられるかもしれません。
でも、難しく考えなくても大丈夫。
離乳食づくりをきっかけに大人の食事も見直してみましょう。大人の食事に旬の食材を使い、味付けもシンプルなものにすれば、そこから取り分けたり、すりつぶしたりするだけでいいのです。大人の食事も健康的になって一石二鳥ですね。
何よりも大切なのは、食事を楽しめることです。
食事は楽しいもの、と赤ちゃんが感じるためには、やはりまわりの大人も食事を楽しむことが大切。おいしくいただいている雰囲気や表情は赤ちゃんにも伝わります。
家族みんなで、おいしい食事をいただく時間を楽しみましょう。