外遊びの時の紫外線対策
つばの広い帽子・日焼け止め・サングラス
小さな子どもの皮膚はデリケートだ。紫外線が一段と強まるこれからの季節、外遊びをする子どもは大人以上に注意が必要だ。つばの広い帽子をかぶったり長袖を着たりして肌を守るよう心掛けたい。
さいたま市の 大古里 育ちの森幼稚園では、園児たちが元気よく園庭を走り回っていた。大きなつばと首の後ろを覆う垂れ布が付いた帽子をかぶり、なかにはサングラスをしている園児もいる.砂場に屋根が取り付けられているほか、たくさん木々が植えられている。5月には、保護者を対象にした紫外線対策の勉強会も開いた。園長の石関健さんは「紫外線対策をした上で、しっかり遊ばせてやりたい」と話す。
日焼けはかつて、健康のシンボルとされていたが、1998年には母子健康手帳から、子どもの日光浴を勧める記述が削除された。紫外線を浴び過ぎることによる有害性が指摘されているからだ.
「よしき皮膚科クリニック銀座」(東京)の吉木伸子院長によると、乳幼児の肌は刺激に弱く、皮膚細胞のDNAを傷つける紫外線の影響を受けやすい。強い日焼けが繰り返されると、しみやしわ、免疫力の低下、皮膚がんの原因にもなるという。強い日差しは長時間浴びないよう心掛けたい。〈1〉午前10時から午後2時頃までの外出はできるだけ避ける〈2〉日陰を選んで歩く〈3〉長袖などで肌の露出を減らす〈4〉つばの広い帽子をかぶる――などが手軽な方法だ。サングラスは紫外線から目を守る効果がある。海や山など屋外レジャーに出掛けるときは、子ども用の日焼け止めが役立つ。ただ、子どもの肌は敏感なので、初めて使う場合は事前に腕などに少量塗って、1日くらい様子を見る。吉木院長は「なるべく低刺激なものを選び、もし、かゆみや赤みがでたら使用をやめましょう」と話す。屋外で遊ぶことは、子どもの成長に欠かせない。日光を浴びることは精神的にも良い効果がある。吉木院長は「神経質になりすぎず、無理のない紫外線対策を続けてほしい」と話している。
皮膚が赤くなったら冷やす
日焼けをして、肌が赤くなってしまったら、どうすればいいだろう。吉木院長によると、日焼けはやけどと同じで、肌の表面が炎症を起こしている状態。まずは冷やして痛みを和らげることが大切だという。氷水に浸したタオルを絞り、日焼けした部分に当てる。タオルは何枚か用意して、交互に使うと効率よく冷やせる。氷や保冷剤をタオルで巻いて肌にあてる方法もある。肌が冷えるまで続ける。症状がよくならないときや、水ぶくれになったときは、皮膚科か小児科で診てもらう。皮膚の状態をスマートフォンなどで撮影しておけば、診察時に医師に説明しやすい。
yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)6月17日