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本日の育児情報 2017年6月10日 毎日新聞より

おねしょ 続くなら受診を!

 朝、子どもの布団に大きな世界地図を見つけて思わず脱力―。多くの親にこんな経験があるのでは。おねしょは親にとって悩みのタネだが、子どもは親が思う以上に悩んでいることがある。小学生以上になっても頻繁におねしょする場合は、夜尿症という病気だ。昨夏、夜尿症の診察ガイドラインが12年ぶりに改定された。夜尿症の原因や治療法をまとめた。

親子で「恥ずかしい」 <おねしょはありふれた子どもの病気です。性格や育て方は関係ありません>

専門医らで2015年に結成した「おねしょ卒業!プロジェクト委員会」は、当事者向け冊子でこう呼びかける。「いまだに夜尿症は『隠したい』『恥ずかしい』病気で、当事者治療を遅らせてきた。」と語るのはプロジェクト委員長を務める兵庫医科大学の服部益治教授(小児科)は指摘する。服部教授によると。18歳までの夜尿症患者は推定60~80万人。このうち受診しているのは半数に満たないものとみられる。

小児科で生活見直し

ガイドラインによると、夜尿症は、5歳以上の子どもが1ヶ月に1回以上の夜尿を3ヶ月以上続けた場合に診断される。原因はおもに①夜間に尿量を減らす「抗利尿ホルモン」がうまく分泌されず尿量が多くなる。②尿をためる膀胱の容量が小さい。③膀胱が尿で一杯になっても目が覚めない。覚醒障害―のいずれか、あるいは、複数の要因が絡みあってる。遺伝子の要素もある他、発達障害のある子は有病率が高いとされている。

受診の目安は「昼も漏らす場合は就学前の5~6歳。夜だけの場合は、小学校入学後」と服部さん。治療は水分の取り方を変えるなど、生活習慣の見直しから始まり、抗利尿ホルモン剤薬物療法。下着にセンサーを取り付け、尿が出た時アラームで目が覚める「アラーム療法」などに移行。どれでも改善しなければ専門医に相談する。

治療に半年~1年半

治療に向き合う親子の構えは、夜尿症は「そのうち治る」と思われがちだが、月に延べ約30人の夜尿症を診る「ゆたかこどもクリニック」(神戸市)の中村豊院長は、「程度や年齢にもよるが、夜尿症は子どもの自己評価を下げるデータもあり、自然治療にまかせるより治した方がいい」と指摘する。有病率は、小学校1年生で10%程度、小学校5年生で5%程度と年齢が上がるにつれ減る傾向にあるが、治療を受けた方が治癒率は2~3倍高くなるとされる。夜尿症は絶対に治るから大丈夫と初診で語りかけると多くはホッとしら表情を見せる。治療に半年から1年半かかる。「焦らない、怒らない、褒める」姿勢が肝心だ。

つぶやき・・・保育園や幼稚園などのお泊り行事で、どのお宅でも一度は不安になったり、心配したりする「おねしょ」。ホーリーは、子どもの性格や体質のせいかと思い込んでいたけど、治療で治る病気なんだね。

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